「さあ、才能に目覚めよう」の感想と要約
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
- 作者: マーカスバッキンガム,ドナルド・O.クリフトン,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2001/12/01
- メディア: 単行本
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世の中には「強みを活かそうとしない人」が多すぎる
「強みを強固にすること」、「弱点を克服すること」、あなたはどちらに時間とエネルギーを費やしますか?後者を選んではいないでしょうか?おそらく多くの人が後者と答えると思います。しかし、弱点を克服することはあくまでもダメージコントロールに過ぎず、圧倒的な成果を挙げることにはつながりません。もし、周りよりも傑出した成果を挙げたければ、自分の強みを理解し、その強みを最大限に活かすべきです。
成功者の共通点
成功を収めた人々すべてに共通すること、それは、持てる才能を最大限に発揮し、自らの強みを磨き、仕事に活かす術を知っていたことです。自分の内側を見つめること。自分の強みを見つけ、実践と学習を通してその強みを補強し、その強みを日々活かせる役割を見出すこと。または、新たな道を開拓すること。これができれば強固な人生を送ることができるのです。
強みとは何か
「強み」とは、ひとことであらわすと、「常に完璧に近い成果を生み出す能力」のことです。この定義に従って、強固な人生を築くのに大切な3つの原則を挙げたいと思います。
①強みは首尾一貫することができて初めて、真の強みになる
安定性があってこそ成果も予見できます。たとえば、タイガーウッズ自身でさえ自慢するのではないかと思われるような完璧なショットがたまたま打てたとしても、コンスタントにそのようなショットが打てなければ、それは強みとは言えません。さらに、真の強みは真の満足感をもたらします。企業戦略を推進する能力が十分にあったとしても、その職務を遂行するのに多大なエネルギーを消費しなければならない場合、それは強みにはなりません。常にうまくいき、満足感が得られる場で発揮される才能が真の強みなのです。
②満足のいく結果をためには、自らの職務に関わる全ての業務に適した強みを持つ必要はない
成功している人々はオールマイティーの札を持っているわけではなく、ただ、手持ちの札を最大限に活かしているだけなのです。満足のいく結果を出すには、あらゆることがうまくこなせなければならない、という考え、これは払拭すべき世間一般の思い込みです。
③傑出した存在になるには強みを最大限に活かせ
決して弱点にこだわってはいけません。しかし、だからといって、「弱点を無視しろ」と言っているのではありません。弱点とうまく折り合いをつけ、強みを解き放ち、より鋭いものにする。ただそれだけのことです。
「才能」と「経験によって身に付いた能力」を区別する
「強みとは常に完璧に近い成果を生み出す能力」と定義しましたが、では、どうすれば能力をそこまで高めることができるのか。経験を積めばいいのか、それとも、やはり天性の才能が必要なのか。答えを言いますと、経験だけで「常に完璧に近い成果」を収められるようになることはありません。分野に関係なく、強みを発展させるには天性の才能が必要となります。
ここで、大切な3つの用語、「才能」「知識」「技術」の定義をしておきます。
知識とは、学習と経験によって知り得た真理と教訓である
技術とは、行動のための手段である
才能、知識、技術。この3つが組み合わさって初めて強みが生まれます。販売員の例を挙げます。人と渡り合えるのも才能があったとします。これも才能の一つです。そして、この才能を販売実績につなげることができれば、それは立派な強みとなります。この場合は、天性の才能に製品の知識と販売の技術が加わり、客に製品を買わせることができるようになります。
強みを築くには才能も知識も技術もすべてが必要ですが、なかでも最も大切なのは才能です。なぜなら、技術と知識は学習と経験によって身につけられますが、才能は天性のものだからです。たとえば、販売員の場合、経験を積めば、製品知識を得ることも、それを客に説明する方法を学ぶこともできますが、絶好のタイミングかつ絶妙のやり方で、客に製品を購入させる術は天性の才能であり、決して学ぶことはできません。販売員になるために生まれてきたような人は、十分な製品知識がなくても、天賦の才を活かすだけで実績を上げることができます。つまり、かかる業務に必要な天性の才能がなければ、強みを築くことは決してできないということです。自らの才能を正確に把握し、知識と技術でその才能を磨くこと、それが真の強みを築く鍵となるのです。
才能を見つける方法
才能を見つけるために最初にやるべきことは、さまざまな状況下で自分は無意識にどのような反応をしているか、自分をよく観察することです。反射的な反応は才能を見つける最も有力な手がかりです。
それ以外にもさらに「切望」「修得の速さ」「満足感」という3つの手がかりがあります。
①切望
これは特に幼いころに表面に表れやすく、どんな才能を秘めているか明らかにします。どんな人にも長いあいだ胸に秘めた願望があるはずです。自分の才能を本気で見つけたいなら、耳をすましてその声をとらえるべきです。
②修得の速さ
才能の存在と程度は、新たな技術を習得する速さによって知ることができます。どんな分野であれ、必要な技術を修得するのが早ければ、その分野をさらに追求するべきです。そうすれば、必ず自分の才能を特定できるようになります。
③満足感
何かを成し遂げたときに気分がよければ、本人は気づかなくても、それはすでに自らの才能を活かした仕事をしていたということです。人間は一人ひとり独自の個性を持っていて、何から満足感を得るかは、たとえそれがどんなにわずかな差であれ、人によって異なるものです。自分はどのような状況で満足を覚えるか、それを仔細に観察してください。それがわかれば、才能のありかは必ず突き止められます。
では、どうやって満足の源泉を見つければいいか。何かをしようとするとき、過去か現在か、未来か、どの時勢を一番意識しているか考えてみるといいです。考えていることが全て現在に関わることで、「これはいつ終わるのか」と考えているようなら、おそらくそれは才能を活かしていないからです。一方、将来を見据え、「いつまだこれができるか」と考えているようなら、あなたはそれを愉しみ、なんらかの才能を活かしていると考えて間違いないはずです。
「さあ、才能に目覚めよう」を読んでみての感想
今までの私は、「弱みをどうすれば克服できるのか」と悩むことが多かったです。弱みのことで思い悩んでいると、「なんでできないんだ」などとネガティブになりがちで、いいことはありませんでした。しかし、当書を読んでみて、弱みのことで悩むよりも自分の強みを認識し、それを最大限発揮できるよう努力するべきであると感じました。たしかに、仕事ができ、尊敬している人たちを見てみると、弱みはあるかもしれませんが、その弱みをもろともしない、自信に満ち溢れているように思います。これは、自身の強みを認識し、その強みを活かすべく、行動しているからなのだと思います。これからは、自身の行動パターンを分析し、自分の強みを徹底的に磨いていきます。